私は若い頃、雑貨船(ガルフ定期船)でニュ-オ-リンズを訪れたことがある。ミシシッピー河を遡って岸壁の高いバトンリュージュにも行った。ある夜、荷役が終わって出港待ちの間、お話好きの機関長さんが気の毒にも心筋梗塞で帰らぬ人となったのもこのニュ-オ-リンズだ。当直が終わった後しばしの憩いを求めたり、美しい町並みを観に出る仲間もいたが、私は疲れた身体に鞭打ってまではしなかった。だから上陸はしていない。ただ河を通行中、両岸に地平線まで続く緑と白く点在する住宅が印象に残っている。それだけにこの度のハリケーン・カトリーナで酷い被害を受けた映像に目を疑い、途方にくれた住民たちの姿は痛々しい。先進国アメリカの姿とはとても信じられないほどだ。政府はこの惨状に対し早速「米国赤十字社に対し、20万ドルの資金供与を行う」とし、更に「連邦政府を通じ被災地のニーズを確認し、支援要請を受けた場合には、我が国がフロリダ州に所有する緊急援助物資(テント、毛布、発電機、簡易水槽等)の備蓄倉庫より、30万ドル相当までの必要かつ供与可能な物資を供与する用意がある」と発表した。この早い対応は小泉政権が米国べったりの政権でなかったら拍手を送りたいのだが、援助は「国連安保理常任理事国入り」を目指す立場からの行動であって、真に心のこもった人道支援とは思えないのだ。困っている米国の力になれば、肩入れが期待できるとの策である。今後被害の実態が明らかになり、惨状がより酷いものであれば更なる追加支援を申し出るだろう。日本国民が暗い先の見えない不景気に喘ぎ、将来の年金に失望し希望を失っているときに、世界一金持ちの米国を支援する必要など何処にあるのだろうか。それほどまでに名声と名誉が欲しいのだろうか。我々国民をほったらかしにして、改革とは名ばかりの不十分な改革をゴリ押しして、「改革の灯を消すな!」、と今日も金切り声で叫んでいる。自己中の政治家小泉さんの本性見たりの感である。
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